クロン

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自作小説

【第1部第2章13節】Crisis Chronicles

2025/1/3  

 今となっては既に遥か昔、嘗て多くの人々が共に馳せた夢の残滓の腕(かいな)に抱(いだ)かれ、導電性強化パネルにより円形に切り取られた肥沃の大地。その中心点にソレは悠然と腰を据えていた。  嘗(かつ)て ...

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自作小説

【第1部第2章12節】Crisis Chronicles

2025/1/2  

 その夜、クレイズは涼風に長髪を靡かせながら、ビルの窓辺から眼下の景色を眺めていた。  眠らない街――と呼ぶには賑わいが少ないが、遠方に散在する街灯の光が夜の寂しさを軽減させている。  時刻は深夜零時 ...

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自作小説

【第1部第2章11節】Crisis Chronicles

2025/1/2  

 既に上空は夜の帳を下ろす予兆を見せ始めており、両手で掬った落日の泉が溢れて零れ落ちるように、星霜を灯し始めた天蓋に橙赤色が染み始めていた。  陽が沈み月光が主立ったものとなると、星海の合わせ鏡が人工 ...

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一人思考

【独り言③】人生をゼロから再構成する

2023/6/30  

こんにちは、クロンです。 最近、自分の理想的な人生とは何か?それを得るために何をすればよいのか? そう考えることが多くなりました。 今回はその考え方について、一つ効率的な方法を考えたので紹介したいと思 ...

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自作小説

【第1部第2章10節】Crisis Chronicles

2025/1/2  

 ――その日、シルヴィアは父であるクラインに連れられて第8都市を歩いていた。  何の理由があって父が都市に足を向けたのかは分からなかったが、目覚めてから数ヶ月しか経っていない私は、実際に目に入る都市の ...

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自作小説

【第1部第2章9節】Crisis Chronicles

2025/1/2  

 ――現在、この世界を取り巻いている現状。    4S-Systemによる意識干渉、セレシーダ・オクトプラントが開発中の「永久魔力機関」を始めとする三つの革新技術、暗躍する黒コート達とそれに追従する数 ...

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自作小説

【第1部第2章8節】Crisis Chronicles

2025/1/2  

 クレイズがユリアの部屋の敷居を跨いでから三時間が経過し、既に陽の位置は高く、その煌々たる光を第三都市のビル群へと遺憾なく降り注いでいた。  都市の中心点から東部に少しズレた位置に穿たれた巨大な人工湖 ...

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【第1部第2章7節】Crisis Chronicles

2025/1/1  

 まるで厚手の透明な毛布に全身を包まれているように、傷付いた少女は筆舌に尽くし難いほどの多幸感を味わっていた。  半固形状の流麗に透き通る水が、まるで母親が生まれたばかりの赤子をその両手で優しく抱き寄 ...

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【第1部第2章6節】Crisis Chronicles

2025/1/1  

 「――、一体何なんだ……この生物は……」  数日前、とある生物学研究機関に持ち込まれたモノは、外見こそ既存の生物と何ら変わりは見受けられなかったが、その内部――特筆すべき点はその中枢器官に在った。 ...

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【第1部第2章5節】Crisis Chronicles

2024/12/30  

 都市内を闊歩する二人は、雑踏の喧騒とは裏腹に、冷ややかな雰囲気を醸し出していた。  先刻、クラッドビルで交換条件の詳細を訊いてから一抹の不安が脳裏にこびり付いていた。  交換条件として提示された依頼 ...